2023年8月22日、スイス、チューリッヒ
ABBはエッジ・ツー・クラウド・プラットフォームのイノベーターPRATEXOに投資
- ABB、米国のテクノロジー企業Pratexoとの関係を拡大。
- ABBとPratexoは、分散型電力ネットワークのセキュリティ、自律性、回復力を向上させるエッジコンピューティングソリューションを共同開発する。
- 今回の投資は、次世代技術の新興企業を育成し投資するというABBの継続的なコミットメントの一環である。
ABBは、エッジ・ツー・クラウドのアクセラレーションプラットフォーム企業であるPratexoとの戦略的パートナーシップに投資します。ABBのベンチャーキャピタル部門であるABBテクノロジーベンチャーズ(ATV)を通じてPratexoに少数株主として出資します。投資の財務的な詳細は非公開。
Pratexoの技術プラットフォームは、エッジでコンピュータ性能を必要とするIoTやAIのプロジェクトをサポートします。同社のテクノロジーにより、IoTセンサーから生成される大量データを処理し、クラウドではなく、デバイスに近い場所でリアルタイムに高度な分析が実行できるシステムを迅速に開発できます。
ABBの脱炭素化を目指す電化サービスは、Pratexoの業界をリードするノーコード開発プラットフォーム「Pratexo Studio」を活用することで、顧客のエッジ・ツー・クラウドのデジタルソリューションの設計を加速し、イノベーションをもたらし、顧客のより良い業務意思決定を可能にします。
Pratexoとの協業により、ABBの顧客は、クラウドデータ転送量の削減、データプライバシーとセキュリティの向上、インターネットから切断されても運用できる利点を持ち、リアルタイムに分析結果を提供するエッジベースのネットワークとソリューションアーキテクチャの構築を支援します。
その一例として、配電事業者が電力グリッドをリアルタイムで管理、監視、評価し、設備故障の潜在的原因を特定し、極力局所的に最適化することで、電力グリッドの稼働状況や消費量の変化を特定し対策を行うなど、急速な変化に適応できるカスタマイズされた分散型ソフトウェアソリューションがあります。
「私たちは、顧客がどの段階にいるかにかかわらず、デジタルトランスフォーメーションをサポートできるユニークな立場にあります。Pratexoのような革新的なスタートアップ企業に投資し提携することで、弊社の技術サービス能力を向上させ、顧客により強化されたインダストリー4.0のビジネス成果を提供することができます。」と、ABBの電化サービス部門プレジデントのStuart Thompson(スチュアート トムソン)は述べています。「Pratexoのオープンテクノロジースタックにより、シームレス、セキュアでカスタムメイドのソリューションをデプロイし、拡張することができます。」
「過去20年のITは、中央集中型クラウドコンピューティングが中心でした。次の10年は、適切な場所で適切なレベルで適切なコンピューティングを行う、ハイブリッドなエッジ・ツー・クラウドの手法でバランスをとることが求められるでしょう。ABBとの緊密な協力関係はこの移行をさらに可能にし、加速させるでしょう」とPratexoのCEOのBlaine Mathieu(ブレイン マシュー)は述べています。
ABB SynerLeap innovation growth hubのメンバーであるPratexoは、 ABB Electrification’s 2022 Startup Challenge の3受賞社の1社となりました。これは、世界の安全でスマートかつ持続可能な電化への移行を支援する先駆的なコンセプトを開発するイノベーターを対象とした世界的なコンペティションです。
「ABB Technology Ventures for Electrificationの責任者であるMads Moellerは、次のように述べています。「ITセキュリティとプライバシーへの注目が高まる中、企業は回復力、柔軟性、拡張性を維持するために、集中型クラウドからエッジ型やマイクロクラウドベースのIoTソリューションへと移行しつつあります。この提携により、ABBの顧客は電力障害の原因分析をリアルタイムで行うソフトウェア技術開発を迅速に進め、業務運用を改善することができます。」
この提携は、ABBにとって2023年6番目のベンチャーキャピタル投資であり、脱炭素化を支援するソリューションを開発するイノベーションパートナーのエコシステムの拡大を支援するものです。ABBのベンチャーキャピタル部門ATVは、2009年の設立以来、電化、ロボット、オートメーション、モーションのポートフォリオに沿ったスタートアップ企業に約3億ドルを投資して来ました。
ABBは、より持続可能で資源効率の高い未来を実現する電化とオートメーションのテクノロジーリーダーです。ABBのソリューションは、エンジニアリングのノウハウとソフトウェアを結びつけ、モノの製造、移動、電力供給、運用方法を最適化します。130年以上にわたる卓越した実績を基盤に、ABBの約10万5千人の社員は、産業変革を加速させるイノベーションの推進に取り組んでいます。www.abb.com
Pratexoは、PayPalやNASAを含む組織向けに世界で最もスケーラブルでパフォーマンスの高いコンピューティングシステムの構築を支援してきた20年の経験に基づき、2019年に設立されました。Pratexoの技術プラットフォームは、遠隔地に設置されたセンサーやカメラの近くなど、エッジでの計算能力を必要とするIoTやAIの戦略やプロジェクトを支援します。特に脱炭素化を目指した電化、エネルギー、公益事業、防衛、スマートビルディング/都市などの業界に適したオープンで実績のあるテクノロジーを使用し、個別のエッジアプリケーションに最適なアーキテクチャを構築します。www.pratexo.com