最近私たちはエッジAIに注力しています。 今では、GoogleのCoralチップなどでごくわずかの消費電力(通常は5ワット)で、エッジで大規模な推論を行うことができます。 私たちにできることは、カメラやマイクなどのあらゆる種類のセンサーをスマートデバイスに変換することです。スマートデバイスでは、すべてのデータをクラウドに記録する代わりに、ローカルで処理・分析できます。
現在取り組んでいるユースケースを紹介します。 風力発電機の周辺の鳥を認識しています。 すべてのカメラデータをクラウドに送信してから画像の鳥を検知する代わりに、十分にトレーニングされたTensorFlowモデルを使用して鳥を認識することができます。 データやすべてのビデオを送信する代わりに、「鳥が接近」と送信できます。 さらに対策用アクチュエータを制御できるエッジユニットを構築しました。 私たちは鳥が風力発電機にぶつかって死ぬことを防ぐことです。 それは風力発電機のオペレーターにとっては非常に高いコストであり鳥にとっても最悪の事態です。
別の事例として、電力業界ではマイクロフォンを使用して変圧器の音波を測定しています。 すべての音波データをクラウドに送信 しているのは、 何を測定すれば良いかわかっているからです。 私たちは電力スパークを測定するのです。 電力スパークが発生しているときは、メンテナンスが必要であることがわかっています。 テラバイト相当の大量の音波データを全て送信しなくても「この変圧器に問題がありそうだ。」と通知できます。 スパークが発生しています。 これが録音のサンプルです。と言って サービス技術者に、それを確認してもらいます。
今はデータを保存するだけでなく変圧器を自己監視できるようになりました。 このソリューションを導入する前、電力会社はサービス技術者を変電所に派遣する必要がありました。 ノルウェーでは問題があるかどうかを確認するため変電所の訪問に数時間かかることもありました。 システム導入後、サービス技術者は「何か問題があります」というメッセージを受け取ります。
想像してみてください。あらゆるカメラやマイクまたは心電図のような高級なデータセンサーをスマートセンサーに置き換えることができます。 許されるのであれば、心電図のデータを見て「問題がありるか、ないか」を判断できます。
しかし、最大の課題はエッジでのAI処理に関する全体のプロセスをどのようにサポートするかということでした。 Pratexoはさまざまなモードでエッジノードを実行しています。 録音以外の何もしていないモードで実行できます。 私たちは記録したセンサーデータを実際にはクラウドにプッシュしています。 何故でしょうか? それは、最高の学習環境はクラウドにあるからです。
たぶんご存じと思いますが、モデルをトレーニングするにはより多くの計算能力が必要です。 今はエッジでもトレーニングすることができますが、一般的にデータをエッジからクラウドにプッシュすることの方が実用的です。 データがクラウドにある場合は、ベンダーのトレーニングモデル、たとえばGoogleのモデルを使用します。 次に、エッジデバイスが記録している間に、モデルをトレーニングします。 ある時点でAIモデルが完成した場合、どの程度うまく機能するかをテストしたいとします。
モデルをエッジノードに戻します。 そのモデルをPratexoまたはサードパーティのコンピューティングユニットにプッシュすることができます。 たとえば、Axis社と仕事をする場合、Coralチップを搭載したAxisカメラにモデルデータをプッシュできるのです。 その間、私たちはまだ記録を継続することができます。 情報を推測したり、データからイベントを推測しながら、記録・最適化を続けるハイブリッドモードにすることもできます。 データをクラウドに再度転送することににより、モデルを再学習したり、モデルをより最適化したバージョンにすることができます。 そして、もう一度モデルデータをエッジにプッシュることができます。
モデルの記録、学習、デプロイメントのワークフロープロセス全体は、最初に考えたよりもはるかに難しいことがわかりました。これは私たちが解決しようとしたことの1つです。
今後の取り組み分野として、スウォームコンピューティングの概念について触れる必要があると思います。 これは、IoTの分野で非常に重要になります。 現場にあるマシンは地理的に近接しているため、或いは協調して作業するためにアドホックなスウォームを形成すべき時があります。私たちの調査でこれはネットワーク層でも解決できることがわかっています。最下層ではマシンを相互接続して非常にダイナミックにコラボレーションできます。 複数のマシンを使い協調することで大きな利点が生まれるユースケースは数多くあります。私はそれについて本当に興奮しています。プロジェクトに応じ異なるマシンが使われることになるでしょう。